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アカデミー賞、決まりましたね。
もちろん一番の注目は作品賞。『シェイプ・オブ・ウォーター』が栄冠を勝ち取ったわけですが、遡ること2月21日の新聞には上記のような見開き広告が掲載されていました。

決定前に観られる幸せ!

作品賞ノミネート作品の中での有力とみられていた『シェイプ・オブ・ウォーター』と『スリー・ビルボード』2作品の広告。

キャッチコピーは「アカデミー作品賞の栄冠はどちらの手に? 3月5日の発表前にぜひ劇場でご鑑賞ください。

そう、例年アカデミー賞の発表の時点では、日本では劇場公開されていないことが多かったのですが、今年は有力作品が事前に公開されていることを利用した広告だったわけです。

実際、我々は観ている作品について「どっちが取るかな〜」なんて楽しめるので、いつも以上にアカデミー賞が盛り上がったように思えます。

なんか嬉しいギレルモ・デル・トロ監督の受賞

今回、特に注目されたのは、ギレルモ・デル・トロ監督の『シェイプ・オブ・ウォーター』が、アカデミー賞初? となる怪物(半魚人)映画が作品賞をとってしまうのか? ということでした。
近年の作品をみてみると、2017年『ムーンライト』、2016年『スポットライト 世紀のスクープ』、2015年『バードマン』、2014年『それでも夜は明ける』…と、シリアスなテーマの本格な作品ばかり。

そこに怪物がでてくる映画が受賞しちゃったわけですから、快挙といってもいいのではないでしょうか。ギレルモ・デル・トロ監督は子供のころにアマゾンの半魚人が白人女性に恋をしてしまうが最後に殺される映画を観て、「いつか半魚人の恋が成就する物語を作りたい」と夢みてた人! その純粋さでもって、純粋さとは対極にあるようなアメリカ映画界の頂点に立っちゃったわけですから、なんか嬉しい気分になりますね。

おめでとうございます。ギレルモ・デル・トロ監督!

やっぱり完成度ではスリー・ビルボード

かたや『スリー・ビルボード』。これは傑作でした。個人的には『シェイプ・オブ・ウォーター』よりもこっちのほうが刺さりました。色々なテーマが盛り込まれてたし、すごい完成度だし、欠点をあげるとすれば上手すぎるということぐらい…。

主演女優賞のフランシス・マクドーマンド、助演男優賞のサム・ロックウェルをはじめとした俳優陣の演技や完璧といってもよい脚本(まさか脚本賞が取れなかったのが意外!)ばかりに注目がいきがちですが、撮影とグレーディングも本当に素晴らしかった。けっして画の美しさで勝負する映画ではないけれど、どのシーンもすごく丁寧に画作りされていて感嘆するばかなのです。

個人的には『スリー・ビルボード』が作品賞を取るのではないかと思ってましたが、マーティン・マクドナー監督が次はどんな作品を創り上げてくれるのか楽しみでなりません!


というわけで、今年のアカデミー賞は例年になく楽しめました!
来年以降も発表前のタイミングで有力作品を多く観られるとうれしいですね。

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