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こんにちは、スタッフHです。

季節は夏真っ盛り。熱中症注意、寝苦しい夜が続く、適度な水分を……などなど連日ニュースで言われておりますが、いかがお過ごしでしょうか。
芸術の秋にはまだ早いですが、こんな暑い日が続く今こそ、涼しい美術館に行きましょう!
ということで、大阪市中之島の国立国際美術館で開催されているブリューゲル「バベルの塔」展のご紹介です。

ハイジーは、大阪中之島にひっそりとたたずむレトロビルに事務所があるのですが、徒歩30秒くらいのところに国立国際美術館があるという、とても恵まれた立地です。
今回は、なんだかすごい絵が来日したとのことで、仕事帰りに行ってきました。(金曜・土曜は21時まで開館しているのです)

ピーテル・ブリューゲルって?

ブリューゲルは、16世紀のネーデルラント絵画の巨匠。ネーデルラントは、今のオランダあたりです。
ブリューゲルの油彩画は世界的にもとても貴重で、真作は40点ほどしか現存していません。だから日本での公開が難しいのですが、それがかなったということで話題なんですね。
そのブリューゲルの最高傑作と言われているのが今回来日した「バベルの塔」(ちなみに、「バベルの塔」日本公開は24年ぶりとのこと)。ブリューゲルは生涯「バベルの塔」を三枚描いており、一枚はもう失われてしまったそうです。
今残っている二枚は、大きさの違いから「大バベル」と「小バベル」と呼ばれていて、今回来日したのは「小バベル」の方。キャンバスサイズは60×75cmで、小さいです。「バベルの塔」の前には、観覧者が行列になっていたので、離れると全く見えませんでした。

今回大々的に宣伝されている「バベルの塔」は、展覧会のトリ。それまでは、ネーデルラントの彫刻や絵画、版画が展示されています。

なぞのキモかわキャラクター 『タラ夫』


さて、この企画展を検索するとしばしばこんなおとぼけ顔に出会います。これはなんぞや? と思いますが、実はこれはブリューゲルの作品から生まれた「バベルの塔」展マスコットキャラクターで、その名も『タラ夫』。
詳しくはこちらをご覧ください。↓↓

ブリューゲルは油絵の他にも版画を制作していて、上の作品はブリューゲルの代表的な版画作品「大きな魚は小さな魚を食う」。
当時のネーデルランドのことわざで、『強い権力を持ったものは弱いものを支配して破壊する』という意味だそうです。つまり、『弱肉強食』ですね。

「大きな魚は小さな魚を食う」の魚は、ヒエロニムス・ボス(今回の企画展の副題にもなっている人)という画家のモチーフを使って構成されました。ブリューゲルにも影響を与えたボスは、強烈な個性と独創的なイメージで、いろいろなモンスター生み出し、当時大人気だったそうです。
「バベルの塔」展では、ボスの油彩の他、ボスの画風を模倣した版画が数多く展示されていて、奇想天外なモンスターたちを見ることができます。

展覧会公式サイトより

正直気持ち悪いけど、どことなく愛嬌があるモンスターたち。ポスターだけ見ると、かなり格調高い感じがする今回の企画展ですが、こんな風にいわゆる「キモかわ」な作品もたくさんあるので、普段美術館には行かないかなーという人にもオススメですよ。

ボイマンス美術館所蔵 ブリューゲル「バベルの塔」展
16世紀ネーデルラントの至宝―ボスを超えて―
会期: 2017年7月18日(火)―10月15日(日)
国立国際美術館 大阪府大阪市北区中之島4-2-55

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