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〈前編〉からの続き

縦横比が「白銀比(1:1.414)」になっているA判・B判の用紙は、半分に折りたたむことを何回繰り返しても、ずっと相似形。長短比が同じで並べると対角線がピタリと揃います。

これは白銀比だけの特徴です。
なぜこうなるのでしょう?
まずはA判のサイズを整理しておきましょう。

A3=420×297mm
A4=297×210mm
A5=210×148mm
A6=148×105mm
A7=105×74mm

前編でA3を半分に折ったように、420mm(A3における長辺)が210mm(A4における短辺)になります。


このA3の長辺である420が半分に折ること(50%)でA4の短辺210になる。
いっぽうA4の長辺である297mmは、A3の長辺である420mmから70.7%です。

前編で、短辺と長辺の入れ替わりがポイントだとお話しましたが…

実は白銀比(1:1.414)の1.414というのは√2

この1:√2という比率が長短が入れ替わっても同じ比率になります。

√2(長辺)を半分にした数(サイズダウン後の短辺)は、√2倍(×1.414)すると1になります。
だから、何回折りたたんでも1:√2の比率がキープされるのです。

(恥ずかしながら、長年に渡って毎日のようにコピー用紙を使っていながら、この数値の秘密に気が付かずにいました…)


ちなみに、√2というのは、一辺の長さが1の正方形の対角線の長さでもあります。

ということは、A3の短辺を長辺にあわせて折って…

できた対角線が√2。


A3の短辺(297mm)の対角線(短辺に対して√2倍)が、A3の長辺(420mm)と同じ。上記のように折ると、ピッタリあいます。

そして、その折り目を中心にした分割も1:√2でした!

先程の交点上で長辺と平行な線をひいてできた分割も1:√2!


さらに、今までできたポイントから次々と折り目をつけていくと…
でてくる、でてくる…分割は1:√2だらけ!
上記に記している以外にもたくさんの入れ子状態の1:√2がありますね。
まさに無限ループで1:√2が続きます。

どうでしょう。あらためて確認していくとA判B判の比率って不思議で面白いですね。

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