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いいロゴとは?[その2]
“繰り返し”と“ひっかかり”

「いいロゴとは?」前回はハイジーが考えるロゴ制作のチェックポイントを4つあげましたが、今回は、ハイジーがロゴデザイン作業時に常に意識していることをテーマにしてみます。

ロゴ制作

そのテーマは、『繰り返しとひっかかり』です!

この“繰り返し”と“ひっかかり”は特にデザイン用語なわけではないのですが、ロゴデザインの際に強く意識している要素で、この2つによりいい意味での“ロゴらしさ”が生まれます。
(ロゴのタイプもいろいろなので、すべてのロゴデザインに当てはまるわけではないのですが)

『繰り返し』 〜同じディテールを複数施す〜

『繰り返し』は、ロゴをロゴたらしめる、ロゴらしさの演出ともいうべきもの。ひとつのロゴ内で小さな同じディテールを繰り返して複数箇所に使用することです。
同じ形状が統一感を生み、ロゴとしての特徴が強調され、コンセプトやテイストが如実に現れるのです。

以下、実例を挙げてみます。

[「YDC」様のロゴの“繰り返し”]
この例では、ズバッと切った「斜めライン」と「正円カーブ」が“繰り返し”です。
正円カーブは、DとCの形状を簡単に利用できるのですが、斜めラインはYにしかありません。スペーシング(空間のまとまり)を兼ねながらDの左上をカットすることと、Cの最後をカットすることで新たに“繰り返し”を生み出しました。
Y,D,C という3つのアルファベットのみのシンプルな構成のため、単純なタイプ文字ではロゴとしての強さが生まれませんが、2種類の“繰り返し”を設定することで、ロゴらしいまとまりと強さを持たせました。

コーポレートロゴ制作事例:株式会社ワイ・ディ・シー

 

[みなもとの庭様のロゴの“繰り返し”]
「みなものとの庭」のロゴは、 ゴシックベースながら曲線ラインが印象的になるようデザインしています。カタカナの「ノ」のような左カーブで、先いくほど細くなっている形状が“繰り返し”です。
各々設置場所によりカーブ具合が異なるのですが、そのバランス調整に試行錯誤しました。ひらがなベースのロゴはアルファベットベースのものより複雑で難易度が高いといっていいかもしれません。

ロゴ制作事例:みなもとの庭

『ひっかり』 〜無意識の“おやっ”を生み出す〜

“繰り返し”のデザインを使用して調和のとれたデザインができたとしても、そのままでは綺麗だけれど、まとまりがありすぎて人の目に止まらないデザインになってしまうことがあります。

そこで、ロゴの中に少しだけクセのある形状を紛れ込ませます。調和の中に違和感。無意識に“おやっ”と思わせてひっかかりを発生させるのです。

人間でもちょっとだけ変なクセをもつ変わった人が印象に残るのと同じことかもしれません。ただし、クセが強いとこれみよがしで違和感が強くなりすぎるので、「ほんのちょっとだけ」です。

こちらも以下、実例を挙げます。

[「YDC」様のロゴの“ひっかり”]
「YDC」様のロゴの“ひっかかり”は、「C」の右側を直線にして、なおかつちょっと長めにしていること。
普通のCは直線部分がないものですが、直線部を設けることでちょっとした違和感を生みながら斜めカット部分につなげます。シンプルなロゴでは個性がでにくいものですが、こういう部分で印象に残るように工夫しています。

[みなもとの庭様のロゴの“ひっかかり”]
このロゴの“ひっかかり”は、「も」の2本の横棒が続き字で「Z」のようにしている部分です。可読性は落ちるのですが、続き字でオールドな雰囲気でひっかかりを持たせるようにしました。

 

いかがでしょう。ロゴデザインは難しく、デザイナーにより、いろいろなノウハウがあると思いますが、ハイジーがいいロゴになるために気をつけていることを2回連続で記してみました。参考になれば幸いです。

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