Share

こんにちは! スタッフHです。
最近、個人で運営されている古書店めぐりにハマっています。

個人のお店の魅力は、お店を通して中の人が見えること。
店舗デザインやインテリア、書店だと本のディスプレイやおすすめされている本で、主のセンスや好きなものを感じることができます。雑貨を扱っていたり、ギャラリーを併設しているところもあるので、そのセレクトも面白い。

商品だけではなく、お店づくりごと楽しめるのが良いですね。

関西地方の古書店を検索しまくり、行きたいお店がどんどん溜まっていっております。
最近お邪魔したのは、大阪市天王寺区の古書店、「一色文庫」さん。

細かな配慮を感じる「一色文庫」

一色文庫
twitterアカウント   @hitujimimizuku
住所   大阪市天王寺区東高津町9-24

大きなガラス扉が開放的で、前の緑がアクセントですね。
ナチュラルで素敵なお店です。

まず、お店に入ったとき店主さんの姿が見えませんでした。
「あれ?」と思っていると、カウンターの奥から、「いらっしゃいませ〜」と聞こえてくるので、そこにいらしたのかとわかります。
店主さんがいらっしゃる、レジのカウンターが少し高いので、座って作業されていると顔があまり見えないのです。
それも、店主さんの意図通り。
「お客様が店員の視線を気にしなくて良いように」というご配慮だそうです。ぐっと来ませんか……!?

店員さんにガンガン来られると、しどろもどろしながら「あ、すいません、出直します」というタイプの人間であるわたくしには、素晴らしいの一言です。

店内はぐるりと本棚に囲まれていて、椅子が本棚を向くように並べてあります。椅子に腰掛けながら、本棚を眺めることができるんですね。
座りながら本を手に取り、パラパラめくって、気に入ったら購入。
足の痛さや荷物を気にせず、じっくり本だけに向き合える。

カウンターの件も、本棚の前の椅子も、大型書店では味わえないもの。
一色文庫さんならではのお店づくりです。

今回の収穫

今回、購入したのはこちら。

『哲学塾 〈畳長さ〉が大切です』 山内志朗
「畳長(造語。“冗長”のことのようです)」について語られた本。
「冗長ですね」なんて言われたら、それはまったく褒められていない、むしろ非難されています。しかし、その「畳長」さがだいじだとおっしゃる……なぜなのでしょう? 答えは読んでからのお楽しみ。
この『哲学塾』はシリーズで、全15冊。塾の講師もまいど違います。
(シリーズのひとつ、土屋賢二さんの『もしもソクラテスに口説かれたら』とか、面白そうです)

『アンリ・カルティエ=ブレッソン』 クレマン・シェルー
“決定的瞬間”という言葉で一世を風靡した(この本では、「20世紀最大の写真家」と表現されています)アンリ・カルティエ=ブレッソン。わたしも大好きです。
ブレッソンが95年間の生涯で、いつ写真を始め、誰と出会い、そしてどんな倫理感で写真を撮っていたのか。パリの学芸員である著者が、写真とともにブレッソンの人生を追いかけていきます。

『モモ』 ミヒャエル・エンデ
ずーっと前から欲しかった本。名作なので、もちろん購入の機会は今までもたくさんあったのですが、「まあ、いつもでいいか」とのびのびになっていたのですよね……名作あるあるだと思います。
一色文庫さんで見つけてしまったので、これは買うしかない。

『自分をみつめる禅問答』 南 直哉
なんとなく手に取ってしまったので……自分を見つめよ、という、仏の声でしょうか。
禅問答なので、対談式。読みやすそうです。
数年前、京都の建仁寺両足院に、座禅を組みに行ったことがあります。座禅のやり方は、ざっくりいうと何も考えないこと。自分の呼吸だけを数え、雑念を払う……しかし、「何も考えない」のは非常に困難です。人間的にちょっと成長できるかな、と思ったりもしたのですが、一度の座禅ではまったく変われませんでした。
この本を読んで、ちょっと変われたらいいなと思います。


書店だけではなく、雑貨店など繁華街から離れたところにある町中の「個人のお店」って、ちょっと入りづらいな……て思うことありませんか?

お店の前を通って「あ、いい感じ」と思っても、複合施設の中や商店街のお店のように、なかなか気軽に中に入れない。
webで見かけて「行ってみたい!」と思っても、ビルの2階以上だと店内も見えないし、尻込みしてしまう。

「常連しか来ないんじゃないか」とか、「一度足を踏み入れてしまえば、絶対買わないといけないのでは」とか、「そもそも、めちゃめちゃ高いものしか置いてないんじゃないか!?」とか、とか……色々考えてしまうんですよね。しかし、当然ながら大半は杞憂です。

個人のお店には、そこにしかない“なにか”があり、それを「いいな、好きだな」と思える。お店の個性を発見するのも、楽しみのひとつです。尻込みや杞憂は機会損失。もったいないなあ、と実感いたしました。

なので、これからはがんがん古書店を開拓していこうと思います!

Share